レタスやキャベツなどの葉に不規則な穴や食い欠けがあり、淡緑色の幼虫が体を弓なりに曲げて歩いていたら、ウワバ類を疑います。ウワバ類にはタマナギンウワバやキクキンウワバなどが含まれ、幼虫が葉を食害します。
家庭菜園での見分け方は、幼虫の色だけではなく「腹脚が2対」「体の中央を持ち上げてシャクトリムシのように歩く」ことを確認するのがポイントです。寒冷地のレタスでは結球内部へ入り込んで食害することもあるため、外葉だけでなく葉裏や結球部の内側まで確認します。
ウワバ類の基本情報・早見表
| 項目 | 確認内容 |
|---|---|
| 分類 | ヤガ科のガの仲間。タマナギンウワバ、キクキンウワバなど複数種を含む |
| 被害を出すのは | 主に幼虫 |
| 主な被害 | 葉の不規則な穴、葉縁の食い欠け。レタスでは結球内部を食害することがある |
| 見分けるポイント | 淡緑色〜緑色の幼虫、腹脚2対、体を弓なりに曲げるシャクトリムシ状の歩き方 |
| 主な発生野菜 | レタス、キャベツ、ハクサイ、ブロッコリー、コマツナなど |
| 発生の目安 | 春〜秋。種類・地域・年次で変動するが、秋作でも注意する |
| 対策の基本 | 葉裏と結球部の見回り、幼虫の捕殺、生育初期からの侵入防止、必要に応じた登録農薬 |
ウワバ類の見分け方・特徴

ウワバ類の幼虫は淡緑色〜緑色で、一般的なイモムシより腹脚が少ないのが特徴です。長野県のレタス病害虫資料では、タマナギンウワバやキクキンウワバが優占し、幼虫は2対の腹脚をもち、シャクトリムシ状に歩行するとされています。
歩くときは体の中央部を持ち上げ、頭側と腹端側を近づけるように弓なりになります。色だけではアオムシなどの緑色幼虫と迷うため、「腹脚の数」と「歩き方」をセットで見ます。
- 淡緑色〜緑色の幼虫:葉の色に紛れて見つけにくい
- 腹脚は2対:一般的なイモムシより少ない
- 体を曲げて歩く:シャクトリムシのように中央部を持ち上げて進む
- 葉の食害:不規則な穴や葉縁からの食い欠けが出る
タマナギンウワバの幼虫は、成長すると35〜40mm前後になる例があります。ただしウワバ類には複数種がいるため、大きさや成虫の翅模様だけで種類を決めつけないようにします。
被害が出やすい場所

ウワバ類を探すときは、葉の表だけではなく葉裏から確認します。若い幼虫は葉裏側から食害することがあり、葉色と同じ淡緑色なので、葉を裏返さないと見逃しやすい害虫です。
- 葉裏:淡緑色の幼虫や食害の始まりがないか
- 外葉〜葉面:不規則な穴や新しい食い欠けが増えていないか
- 結球部の内側:レタスでは幼虫や食害が内部へ入っていないか
- 周辺株:同じ畝にも新しい食害が広がっていないか
レタスでは結球が進むと内側が見えにくくなるため、外葉に新しい穴が出た段階で確認することが大切です。結球内部まで入り込まれると、外から見える食害より被害が大きい場合があります。
ウワバ類とヨトウムシ類の違い

葉に大きめの食害がありイモムシを見つけると、ヨトウムシ類と迷うことがあります。見分けるときは、体色だけでなく体つきと歩き方を確認します。
| 確認点 | ウワバ類 | ヨトウムシ類 |
|---|---|---|
| 体色 | 淡緑色〜緑色が目立つ | 灰褐色、緑褐色、暗色系など幅がある |
| 体つき | 比較的細長い | やや太めのイモムシ状 |
| 腹脚 | 2対が大きな手掛かり | ウワバ類より多く、典型的なイモムシ状 |
| 歩き方 | 体を弓なりに曲げ、シャクトリムシ状に歩く | ウワバ類のような歩き方を主特徴にしない |
| 見つけやすい場所 | 葉上、葉裏、結球部 | 葉裏、株元、土の表面などにも隠れる |
どちらも葉を食べるため、食害痕だけでは区別しにくいことがあります。幼虫を見つけたら、葉の上で実際に少し歩く様子を見ると、ウワバ類の特徴が分かりやすくなります。
見つけたら最初に確認すること

ウワバ類らしい幼虫や食害を見つけたら、次の4点を順番に確認します。
- 葉裏:淡緑色の幼虫がいないか
- 体の歩き方:体を弓なりに曲げて進まないか
- 新しい食害:柔らかい葉や周辺葉に新しい穴が増えていないか
- 結球部:レタスの内側に幼虫や食害が入り込んでいないか
1匹見つけたら、その幼虫だけを取って終わりにせず、同じ株の葉裏と周辺株も確認します。葉色に紛れるため、食害があるのに幼虫が見つからないときは、葉を1枚ずつ裏返して探します。
ウワバ類が発生しやすい時期・条件
春から秋まで発生し、秋作でも注意する
ウワバ類の発生時期は種類や地域、年によって変わります。タマナギンウワバでは年に複数回発生し、資料例では5〜6月と9〜10月に多くなる時期があります。寒冷地の家庭菜園では、夏まき〜秋どりのレタスや秋野菜でも葉の食害を確認します。
葉が茂ると幼虫を見逃しやすい
株が大きくなると葉裏が重なり、淡緑色の幼虫は見つけにくくなります。食害穴が増えてから探すより、外葉が広がる時期から葉裏を定期的に確認します。
レタスは結球が進む前に見つける
レタスでは幼虫が結球内部を食害することがあります。結球が進んでから内部へ入ると捕まえにくくなるため、外葉〜結球初期の食害を早めに見つけます。
家庭菜園でできるウワバ類の対策
少数なら幼虫を見つけて取り除く
家庭菜園で発生が少ないうちは、幼虫を見つけ次第取り除く方法が基本です。葉の表だけでなく葉裏を確認し、レタスでは葉の重なりや結球部にも幼虫がいないか見ます。
卵や若い幼虫を早めに見つける
ウワバ類は葉に産卵し、ふ化した若い幼虫が食害を始めます。大きくなるほど食べる量が増えるため、食害が少ない段階で葉裏を見回り、卵や小さな幼虫を早く見つけることが重要です。
生育初期は防虫ネットで飛来を減らす
成虫が産卵する前から防虫ネットで被覆すると、飛来を減らす助けになります。播種・定植後の早い段階から掛け、裾や継ぎ目に隙間を作らないようにします。
ただし、ネットを掛ける前にすでに卵や幼虫が付いていると、そのまま中で被害が続きます。ネットを閉じる前に葉裏や中心葉を確認し、管理のために開けた後も虫を閉じ込めていないか確認します。
収穫残さと周辺の雑草を整理する
収穫後の葉や被害葉を畝に長く残さず、周辺の雑草も整理します。害虫の隠れ場所や次の発生源を減らし、次作へ持ち越しにくくします。
農薬を使う場合の注意
幼虫が多く、捕殺や防虫ネットだけでは食害が止まらない場合は、育てている作物とウワバ類、または対象となるウワバ類の種に登録のある農薬を検討します。
農薬登録は作物・害虫・製品ごとに異なり、変更されることもあります。使用前に農林水産省の最新の農薬登録情報と製品ラベルを確認し、希釈倍率、使用量、使用回数、使用時期、収穫前日数を守ってください。この記事では固定の商品名や使用量を指定しません。
ウワバ類に食害された野菜は食べられる?
葉に食害穴があるだけで、野菜全体が一律に食べられなくなるわけではありません。家庭菜園では幼虫、フン、食べかすを取り除き、被害部分を必要に応じて切り落として、健全部分を流水でよく洗い状態を確認します。
レタスなど結球する野菜では、外葉に小さな被害しか見えなくても内側へ幼虫が入っていることがあります。葉を1枚ずつ確認し、腐敗、異臭、カビ、強い傷みがある部分は利用しません。農薬を使用した場合は、製品ラベルの収穫前日数を必ず守ります。
予防と早期発見のポイント
- 淡緑色の幼虫を色だけで判断せず、腹脚2対と歩き方を見る
- 葉の表だけでなく葉裏を定期的に確認する
- 不規則な穴や新しい食い欠けを早めに見つける
- レタスでは結球内部へ入る前に捕殺する
- 播種・定植後の早い段階から防虫ネットを使う
- ネットを開閉した後は虫を中へ閉じ込めていないか確認する
- 被害葉、収穫残さ、周辺雑草を整理する
- 被害が広がる場合は最新の登録農薬を確認する
よくある質問
ウワバ類の一番分かりやすい見分け方は?
淡緑色〜緑色の幼虫が、体を弓なりに曲げてシャクトリムシのように歩くことです。腹脚が2対であることも大きな手掛かりになります。
ヨトウムシ類との違いは?
ウワバ類は比較的細長い淡緑色の幼虫で、腹脚2対、シャクトリムシ状の歩き方が特徴です。ヨトウムシ類はやや太めのイモムシ状で、灰褐色や緑褐色など体色にも幅があります。迷ったら歩き方を確認します。
秋のレタスでもウワバ類は発生しますか?
はい。発生時期は地域や年によって変わりますが、タマナギンウワバでは9〜10月に多い発生例があります。夏まき〜秋どりのレタスでも外葉と葉裏を確認します。
レタスの結球内部まで食害しますか?
長野県のレタス病害虫資料では、ウワバ類の幼虫が結球内部を食害するとされています。外葉に食害を見つけたら、結球部の内側にも幼虫や新しい食害がないか確認します。
防虫ネットはいつ掛ければいいですか?
成虫が飛来して産卵する前から掛けます。播種・定植後のできるだけ早い段階から被覆し、裾や継ぎ目に隙間を作らないようにします。被覆前に葉裏へ卵や幼虫が付いていないかも確認します。
幼虫が大きくなってからでも捕殺できますか?
見つけた幼虫は取り除けますが、成長するほど食害量が増えます。レタスでは結球内部へ入り込むこともあるため、小さな食害や若い幼虫の段階で見つける方が対処しやすいです。


