サヤエンドウ褐紋病の対策|輪紋病斑・莢の病斑・褐斑病との違いを解説

サヤエンドウ褐紋病で葉や莢に輪紋のある褐色病斑が出た株 病気

サヤエンドウの葉に黒褐色の小さな斑点が出て、次第に輪紋のある褐色病斑へ広がるときは、サヤエンドウ褐紋病を疑います。葉だけでなく茎や莢にも発生し、莢に病斑が出ると品質が大きく落ちます。

サヤエンドウ褐紋病は、病原菌によって起こる病気です。特に4月以降の多雨年、多湿、密植、株が込み合った状態で発生しやすくなります。見分けるときは、黒褐色の小斑点、輪紋のある病斑、莢にも症状が出ることをセットで確認します。

サヤエンドウ褐紋病の基本情報・早見表

項目内容
病名サヤエンドウ褐紋病
原因病原菌による病気
主な症状葉に黒褐色の小斑点ができ、拡大すると周辺が淡褐色で輪紋のある病斑になる。莢にも大型病斑が出る
主な発生部位葉、茎、莢、托葉、種子
進行時の症状病斑が大型化し、病斑部が黄化する。葉が枯れると茎に進展し、上部が枯れることがある
発生しやすい条件4月以降の多雨、多湿、密植、繁茂、風通し不良
伝染被害残さや種子が感染源になることがあり、雨や多湿条件で広がりやすい
似た病気褐斑病、うどんこ病、灰色かび病
対策の基本発病葉・発病莢の早期除去、被害残さの処分、密植回避、通風と排水の改善、必要に応じた登録農薬の確認

サヤエンドウ褐紋病の見分け方・特徴

サヤエンドウ褐紋病の見分け方として黒褐色の小斑点、輪紋病斑、莢の病斑、黄化枯れ込みを示した図解

サヤエンドウ褐紋病を見分けるときは、「黒褐色の小斑点」「輪紋のある病斑」「莢にも出る」「黄化・枯れ込み」の4点を確認します。

  • 黒褐色の小斑点:葉に初期症状として小さな黒褐色斑点が現れます。
  • 輪紋のある病斑:拡大すると周辺が淡褐色で、円形の輪紋が見える病斑になります。
  • 莢にも出る:莢に病斑が出ると大型化しやすく、見た目と品質が大きく落ちます。
  • 黄化・枯れ込み:病斑部の周囲が黄化し、葉や托葉が枯れると茎の上部まで傷むことがあります。

葉に褐色の斑点があるだけでは褐斑病など別の病気と区別しにくいことがあります。輪紋があるか、病斑が比較的大きくなっていないか、莢にも症状があるかまで見て判断するのがポイントです。

症状が出やすい場所

サヤエンドウ褐紋病の症状が出やすい葉、茎、莢、托葉を示した図解

サヤエンドウ褐紋病は葉だけの病気ではありません。葉・茎・莢・托葉を順に見て、輪紋のある病斑が広がっていないか確認します。

  • 葉:黒褐色の小斑点から輪紋病斑へ進んでいないか確認します。
  • 茎:黒紫色〜黒褐色の病斑が出ていないか見ます。進むとしおれにつながることがあります。
  • 莢:大型の病斑ができやすく、品質低下が分かりやすい部位です。
  • 托葉:ここが侵されて枯れると、茎側へ被害が進みやすくなります。

病気が広がりやすい畝では、発病株の周囲もあわせて点検してください。白い粉が中心ならうどんこ病、灰色のかびや腐敗が中心なら灰色かび病も候補になります。

サヤエンドウ褐紋病と褐斑病の違い

サヤエンドウ褐紋病の輪紋のある大型病斑と褐斑病の小型で明瞭な病斑を比較した図解

サヤエンドウ褐紋病と褐斑病は、どちらも葉や莢に褐色病斑が出るため紛らわしい病気です。見分けるときは、輪紋の有無、病斑の大きさ、黒点の出方を比べます。

確認点褐紋病褐斑病
葉の病斑黒褐色の小斑点から始まり、拡大すると輪紋のある比較的大きな病斑になる内部が淡褐色、周辺部が濃褐色の小型で明瞭な病斑
輪紋見分ける大きなポイントになる主な診断軸ではない
莢の症状大型病斑になりやすい2〜5mmほどの比較的小さな病斑で、中央がややへこむ
黒点輪紋の方が目立つ時間がたつと黒色の小点が見える

「輪紋のある大きめの病斑」なら褐紋病「小型で輪郭が明瞭な病斑+黒点」なら褐斑病を優先して疑います。

見つけたら最初に確認すること

サヤエンドウ褐紋病を見つけたときに確認する色、輪紋、部位、広がり方を示した図解

サヤエンドウの葉や莢に褐色の病斑を見つけたら、次の4点を順番に確認します。

  • 色:黒褐色〜淡褐色の病斑になっているか。
  • 輪紋:病斑に同心円状の輪紋があるか。
  • 部位:葉だけでなく、茎や莢にも症状が出ていないか。
  • 広がり方:小斑点から大型の病斑へ広がっていないか。

もし病斑ではなく、葉の表面が白い粉で覆われるならうどんこ病、灰色のかびや腐敗が目立つなら灰色かび病なども確認してください。苗の周囲にナメクジ被害が混じる場合はナメクジ類の記事も参考になります。

サヤエンドウ褐紋病が発生しやすい時期・条件

サヤエンドウ褐紋病は、多湿条件で発生が増えやすい病気です。寒冷地でも春先から初夏にかけて雨が多い年は注意が必要です。

4月以降の多雨・多湿

病原菌は被害残さや種子で残り、4月以降の雨が多い年に発生が増える傾向があります。葉や莢が長くぬれる状態が続くと広がりやすくなります。

密植・繁茂・通風不良

株間が狭い、つる葉が混み合う、寒冷紗で長期間覆って風通しが悪いといった条件では、湿気がこもって発生しやすくなります。

サヤエンドウ褐紋病の対策

発病を見つけたら、広がる前に株まわりの湿気を減らし、病斑のある葉や莢を早めに処分します。

発病葉・発病莢を早めに取り除く

病斑のある葉や莢をそのまま残すと、周囲へ広がる原因になります。作業後は畝に残さず持ち出して処分してください。

風通しと排水を改善する

込み合った枝葉を整理し、株の内部まで風が通る状態を保ちます。排水が悪い場所では畝立てや土づくりを見直し、過湿を避けます。

被害残さと種子由来の持ち込みに注意する

被害残さが翌年の感染源になることがあります。前年に発生した場所では残さの処分を徹底し、種子や苗も健全なものを使います。

使用する農薬について

家庭菜園で農薬を使う場合は、サヤエンドウまたはエンドウに登録があり、褐紋病に使えるものかを必ず確認してください。登録内容は更新されるため、購入前・使用前に最新の登録情報を見直すことが大切です。

最新の適用農薬は、農薬登録情報提供システムで確認できます。ラベルに記載された希釈倍率、使用回数、収穫前日数を守って使ってください。

サヤエンドウ褐紋病の株や莢は食べられる?

サヤエンドウ褐紋病は植物の病気で、人に感染する病気ではありません。ただし、病斑が出た莢や傷んだ部分は品質が落ちているため、食べずに取り除いて処分するのが安全です。

見た目が健全な莢でも、収穫後はよく洗い、変色・異臭・軟化があるものは食べないでください。食用に回すより、被害部を早めに取り除いて株全体の被害拡大を防ぐことを優先します。

予防のポイント

  • 株間を詰めすぎず、風通しを確保する
  • つるや葉が込み合いすぎたら整理する
  • 発病葉・発病莢・被害残さを畑に残さない
  • 排水を良くして多湿を避ける
  • 健全な種子や苗を使い、同じ場所での連続発生に注意する

よくある質問

葉の斑点が小さければ褐紋病ではないですか?

初期は黒褐色の小斑点として始まります。そこから輪紋のある病斑へ広がることがあるので、小さいうちでも周囲の株を含めて確認してください。

褐斑病との一番分かりやすい違いは何ですか?

褐紋病は輪紋のある比較的大きな病斑になりやすいのが特徴です。褐斑病は小型で輪郭が明瞭な病斑になり、時間がたつと黒色の小点が見えることがあります。

莢だけに症状が出ることもありますか?

あります。葉や茎に症状が少なくても、莢に大型病斑が出て品質低下が目立つことがあります。収穫時は莢の表面もしっかり見てください。

寒冷紗やネットをかけると発生しやすくなりますか?

長時間かけっぱなしで内部の湿気がこもると発生しやすくなることがあります。防虫対策をしながらも、風通しや換気を確保するのが大切です。

発病した莢は食べても大丈夫ですか?

病斑が出た莢や傷んだ部分は食べずに処分してください。見た目が健全でも、変色や異臭、軟化がある場合は食べない方が安全です。

翌年に持ち越さないために何をすればいいですか?

発病葉・発病莢・残さを畑に残さず処分し、風通しと排水を改善します。前年に発生した場所では、種子や苗の健全性にも注意してください。

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