ミズナの育て方|寒冷地での種まき・間引き・収穫のポイント

寒冷地の家庭菜園で収穫期を迎えたミズナ 葉菜類

ミズナは、細かく切れ込んだ葉とシャキシャキした白い葉柄が特徴のアブラナ科の葉菜です。

寒冷地では春から秋まで育てやすく、小さい株をサラダ用に収穫したり、株間を広げて中株・大株に育てて鍋物や漬物に使ったりできます。

ミズナ栽培の大きな特徴は、「どの大きさで収穫するか」によって株間を変えられることです。

小株どりなら株間5〜7cm、中株どりなら15cm程度まで広げます。

また、発芽から初期生育では水切れに注意し、高温期の生育後半は逆に過湿にしすぎないことが重要です。

この記事では、寒冷地での種まき、2段階の間引き、小株・中株の株間、水やり、追肥、防虫ネット、とう立ち、収穫、保存方法まで順番に解説します。

ミズナ栽培の基本情報・早見表

項目目安・確認内容
分類アブラナ科・葉菜類
主な作型春まき/夏〜秋まき
初心者向き春まき・秋まき
寒冷地の実用播種レンジ4月〜9月上旬
特に作りやすい4〜6月 8月下旬〜9月上旬
発芽適温20〜25℃
発芽日数3〜5日程度
生育適温15〜20℃
栽培方法直播き中心
まき方スジまき
まき溝深さ1cm前後
種間隔1cm前後
覆土約5mm
条間15〜20cm
小株どり株間5〜7cm
中株どり株間15cm程度
追肥本葉5〜6枚ごろ、 生育を見て検討
収穫小株 草丈15cm程度から 中株 草丈25〜30cm程度
防虫ネット種まき直後から 目合い0.8mm程度を一つの目安
保存野菜室で立てて保存 冷蔵3〜4日程度を一つの目安

寒冷地のミズナ栽培カレンダー

春まき

寒冷地では、4月ごろから春まきを始められます。

ミズナは低温でも比較的発芽しやすい野菜ですが、発芽後に低温へ長く当たると花芽ができ、その後の高温と長日でとう立ちしやすくなります。

早春にまく場合は、晩抽性品種を選び、必要に応じて不織布やトンネルで保温します。

4〜6月は、寒冷地の家庭菜園で育てやすい時期です。

夏まき

冷涼地向けの品種では、夏にも栽培できます。

ただし25℃以上では、株が軟弱徒長し、株張りが悪くなりやすくなります。

夏は、

に注意します。

高温期は、必要に応じて遮光資材を使います。

秋まき

7月下旬〜9月上旬ごろまで秋どり用に種をまけます。

特に8月下旬〜9月上旬は、寒冷地の家庭菜園で育てやすい時期です。

秋は気温が下がるにつれて葉柄がしっかりし、夏よりも軟弱徒長しにくくなります。

ただし、標高の高い地域では遅まきしすぎると十分に大きくなる前に低温期へ入ります。

小株どり・中株どりを決める

ミズナは、収穫サイズを選べる野菜です。

小株どり:サラダ、おひたし、さっと加熱する料理向き。

中株どり:鍋物、炒め物、煮物にも使いやすい。

大株どり:鍋物や漬物向き。

家庭菜園では、小株〜中株を基本にすると収穫までが比較的短く、管理しやすくなります。

土づくり

ミズナは初期生育で十分な水分を必要とします。

一方で、高温期の生育後半に土が過湿になると軟腐病などのリスクが高くなります。

そのため、

  • 水はけ
  • 保水性

の両方を意識して土を整えます。

完熟堆肥を使い、大きな土塊を砕いて種まきしやすい表土を作ります。

肥料は元肥を基本にします。

種まき

小〜中株どりでは、スジまきが分かりやすい方法です。

深さ1cm前後のまき溝を作り、1cm前後の間隔で種をまきます。

条間は15〜20cm。

覆土は約5mmにし、軽く押さえて種と土を密着させます。

ミズナを条間15〜20cmでスジまきし種間1cm前後で約5mm覆土する方法

種まき後は十分に水を与えます。

発芽適温は20〜25℃で、適温なら3〜5日程度で発芽します。

発芽から初期生育は、表土を強く乾燥させないことが大切です。

防虫ネットは種まき直後から

ミズナはアブラナ科なので、生育初期から

などの被害を受けます。

防虫ネットは、虫食いを見つけてからではなく種まき直後から掛けます。

ミズナの種まき直後から0.8mm程度の防虫ネットを掛けて裾を閉じる方法

家庭菜園では、目合い0.8mm程度を一つの目安にします。

キスジノミハムシをより強く意識する場合は0.6mm級も候補です。

ただし、細かいネットほど風通しが悪くなります。

真夏はネット内の高温にも注意します。

裾や継ぎ目を閉じ、間引きや追肥でネットを開けた後は虫を中へ閉じ込めていないか確認します。

2段階の間引き

ミズナは生育が速いため、葉が重なり続けないよう早めに間引きます。

1回目

本葉1〜2枚ごろ。

込み合っている場所を中心に間引き、株間2〜3cm程度へ広げます。

2回目

本葉2〜3枚ごろ。

小株どりなら株間5〜7cm程度へ間引きます。

ミズナを本葉1〜2枚と本葉2〜3枚の2段階で株間5〜7cmに間引く流れ

中株どりにする場合は、その後も間引き収穫しながら株間15cm程度まで広げます。

間引いた株もサラダ、汁物、おひたしなどに利用できます。

小株どりと中株どりで株間を変える

ミズナは、最終的にどの大きさで収穫するかによって株間を変えます。

株間5〜7cmの小株ミズナと株間15cm程度の中株ミズナの収穫サイズ比較

小株どり:株間5〜7cm草丈15cm程度から収穫

中株どり:株間15cm程度草丈25〜30cm程度で収穫

大株にする場合は、さらに株間を広げます。

「ミズナの株間は何cm」と一つの数字に固定せず、使いたい大きさから決めるのがポイントです。

水やりと追肥

発芽〜初期生育は乾燥させない

ミズナは、発芽と初期生育をそろえるために水分管理が重要です。

種まき後から生育初期までは、強く乾燥させないようにします。

一方で高温期は、生育後半まで常に土が湿りすぎていると軟腐病などのリスクが上がります。

株が育ってからは、土の表面が乾いてきたら水を与えます。

追肥は本葉5〜6枚ごろを目安に

元肥を基本にし、本葉5〜6枚ごろ、生育を見て追肥します。

本葉5〜6枚ごろのミズナで生育を見ながら追肥を判断する方法

小株どりで短期間に収穫する場合は、生育が順調なら追肥を省略できることもあります。

中株・大株まで育てる場合は、追肥の重要度が上がります。

葉色が薄いだけで肥料不足と決めつけず、水切れ、根傷み、病気、日照も確認します。

寒冷地ではとう立ちに注意

ミズナは、発芽後に低温へ長く当たると花芽ができやすくなります。

その後、気温が上がり、日が長くなると花茎が伸びてとう立ちします。

正常に葉が増えるミズナと低温後に中心の花茎が伸びたとう立ち株の比較

寒冷地では、

  • 早春の早まき
  • 晩秋〜早春の無被覆
  • 低温による生育停滞

に注意します。

春まきでは晩抽性品種を選び、必要に応じてトンネルや不織布で保温します。

中心の花茎が伸び始めたら、葉が硬くなる前に早めに収穫します。

収穫適期

ミズナは小さいうちから収穫できます。

草丈15cm前後の小株と25〜30cmの中株を示したミズナの収穫適期

小株どり:草丈15cm程度から

中株どり:草丈25〜30cm程度

家庭菜園では、必要な分だけ間引き収穫していく方法も使えます。

葉が若く、葉柄にハリがあり、中心から花茎が伸びていない株を収穫します。

株元を持って根ごと引き抜き、根の付け根をハサミや包丁で切ります。

ミズナの保存方法

【保存場所】常温保存には向きません。冷蔵庫の野菜室で保存します。

【洗うか】長く保存したい場合は、保存前に無理に洗わず、食べる前に洗う方法が扱いやすいです。洗った場合は、葉と葉柄の水気をよく取ります。

【包み方・向き】湿らせたキッチンペーパーで包み、ラップまたはポリ袋へ入れます。畑で育っていた向きに近いよう、野菜室で立てて保存します。

【保存期間の目安】冷蔵は3〜4日程度を一つの目安にします。

【冷凍】洗って水気を取り、使いやすい長さに切って冷凍用保存袋へ入れます。冷凍は2〜3週間程度を一つの目安にします。冷凍後は、生サラダより鍋、汁物、炒め物など加熱料理に使います。

【傷み始めのサイン】葉先のしおれ、黄化、葉柄のハリ低下は鮮度低下のサインです。ぬめり、広い軟化、強い異臭がある場合は食べずに処分します。

プランターでも育てられる

ミズナはプランター栽培に向きます。

深さ15〜20cm以上ある容器を使い、スジまきします。

小株どり:株間5〜7cm

中株どり:株間15cm程度

畑より乾燥しやすいため、発芽から初期生育の水切れに注意します。

プランターは防虫ネットを掛けやすいのも利点です。

連作障害

ミズナはアブラナ科です。

同じ場所でアブラナ科を続けて育てると、根こぶ病やアブラナ科を好む害虫の発生リスクが高くなります。

家庭菜園では、前回アブラナ科を育てた場所から1〜2年程度空けることを一つの目安にします。

根こぶ病が出た場所では、輪作だけでなく排水改善、pH確認、残さ管理も組み合わせます。

よくある失敗と見直しポイント

現象確認すること
発芽がそろわない乾燥、高温、深まき、水むらを確認
ひょろ長くなる高温、密植、日照不足、過湿を確認
葉が小さい株間不足、間引き遅れ、水切れを確認
生育が止まる低温、水分、根傷みを確認
腐りやすい高温期の過湿、風通しを確認
虫食いが多い防虫ネットの開始時期、裾の隙間を確認
花茎が伸びるとう立ち。低温に長く当たったか確認

主な病気・害虫

病気・害虫確認
根こぶ病詳しい見分け方・対策を確認
軟腐病詳しい見分け方・対策を確認
べと病詳しい見分け方・対策を確認
白さび病詳しい見分け方・対策を確認
キスジノミハムシ詳しい見分け方・対策を確認
コナガ詳しい見分け方・対策を確認
カブラハバチ詳しい見分け方・対策を確認
ヨトウムシ類詳しい見分け方・対策を確認
アブラムシ類詳しい見分け方・対策を確認

農薬を使う場合は、 使用時点で 「ミズナ」と対象病害虫に 登録があることを確認し、 ・使用時期 ・使用量/希釈倍数 ・使用回数 ・収穫前日数 を製品ラベルで確認してください。

よくある質問

寒冷地では何月に種まきしますか?

露地では4月〜9月上旬を大きな目安にします。特に4〜6月と8月下旬〜9月上旬が育てやすい時期です。

発芽温度は?

発芽適温は20〜25℃で、適温なら3〜5日程度で発芽します。

種はどのくらいの深さにまきますか?

深さ1cm前後のまき溝にまき、約5mm覆土します。

小株どりの株間は?

5〜7cm程度が基本です。

中株どりの株間は?

15cm程度が一つの目安です。

間引きはいつしますか?

本葉1〜2枚で株間2〜3cm、本葉2〜3枚で小株どりなら株間5〜7cm程度へ間引きます。

追肥は必要ですか?

元肥を基本にし、本葉5〜6枚ごろに生育を見て検討します。短期の小株どりなら追肥なしで収穫できる場合もあります。

防虫ネットは必要ですか?

強くおすすめします。種まき直後から掛け、目合い0.8mm程度を一つの目安にします。

収穫サイズは?

小株は草丈15cm程度から、中株は25〜30cm程度が一つの目安です。

とう立ちはなぜ起きますか?

発芽後の低温で花芽ができ、その後の高温・長日で花茎が伸びます。

収穫後はどう保存しますか?

湿らせたキッチンペーパーで包み、袋に入れて野菜室で立てて保存します。冷蔵3〜4日程度を一つの目安にします。

プランターでも育ちますか?

育てやすい野菜です。小株なら株間5〜7cm、中株なら15cm程度を確保します。

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